きろく

特筆すべき記録のまとめ

駿台浪人&合格体験記Ⅰ(概要)

はじめに

この記事は筆者が 2021 年度に駿台お茶の水3号館の東大理系演習コースで浪人した記録です.コースに関する詳細情報は公式ウェブサイトは勿論,以下の記事を参照して下さい.また,詳しい勉強法(と言えるのか怪しい)も以下を参照して下さい.

<準備中>

(あと,あまりにも Twitter 上で浪人している人を見かけることが少ないため,記録している面もある.)

浪人することになった経緯

babcs2035.hateblo.jp

3月

10 日に不合格が判明した後,合格していた早稲田大学基幹理工学部の手続きを少し進め,同時に駿台のコースについても調べていた.2 ~ 3 日程度で浪人する決定をしたように思う.

高校の入試結果判明後の登校日の帰りにお茶の水 3 号館へ行き,コース加入の手続きを完了させた.その後,プレースメントテスト(後述)まではあまり勉強する気は起きなかったように思う(自由に過ごせるのは授業が始まるまでだと思っていたので).

4~7月(前期)

4 月 1 日にお茶の水 2 号館でプレースメントテストを受けた.これは,前期中のコース内のクラス分けをするためのテスト.所属した東大理系演習コースは成績順に 3 クラスに分けられる.自分は真ん中のクラスに入ることになった.国語で変な知識問題が出され困惑した.

駿台の授業・テキストしかやっていなかったように思う.これだけで十分充実していたと思う.また,高3の時のように異常なほどの勉強量は確保していなかった,というかできなかった.毎日日中の授業時間を含めて 8 時間程度の勉強量だっただろうか.

あと,後期中のコース内のクラスが前期中の模試の成績で決まるため,毎回の模試は真面目に受けていた(当たり前か).

7~8月(夏期講習)

駿台から夏休み中に n 時間勉強することを推奨する謎の紙が配布されるも,毎日 10~12 時間程度勉強しなければ達成できないほどハードな目標であり,当然達成をあきらめた.というか,大事なのは時間ではないだろう(最低限時間を確保するのは大事だけどさ).

夏期講習は英語・数学・国語・物理・化学で 1 つずつ受けた.自分は自習室より家で勉強する方が集中できる派なので,夏期講習のために外に出ることはリフレッシュになった(かもしれないし,ならなかったかもしれない).講習は自習のペースを決めることに役立つように感じたが,とりすぎると勉強計画が崩壊しかねないので注意.

勉強時間は毎日 9 ~ 10 時間程度か.

8~12 月(後期)

後期からはコース内の上のクラスに入ることができた.やる内容は変わらないと思うが.

前期中と同様に,駿台のカリキュラム通り日々の勉強を進めるのみだった.平日はその日の復習+α,土曜日は一週間の復習,日曜日は次の一週間の予習というサイクルをひたすら繰り返していた.また,自ら貪欲に他の教材に手を出したりなどは一切しなかった(忙しくなりすぎるのが嫌だったので).

勉強時間もこれまでとほぼ変わらず 9 時間程度だったか.ただ,12 月に近づいてくると危機感からかもう少し勉強しただろうか.

12~1月(冬期講習・共通テスト)

冬期講習も各教科 1 講座ずつ取ったが,全て二次試験向けのもので共通テスト対策のものは取らなかった(さすがに要らないだろう).合計 5 講座だったが,取りすぎだったと思う.共通テスト直前なので取らなくてもよいぐらいかもしれない.

12 月後半から地理の勉強が本格化した.今までは週に 1 回の映像授業をこなすのみだったが,1 日に数分は地理のノートを見返したりするようになったと思う(移動時間や授業の休み時間などに).

年明け後共通テストまでは地理と国語ばかりやっていた.もちろん,英語・数学・理科も何回かは実践問題パックを使って演習したが.地理は高校でのノートや資料と駿台で得た情報と資料をマージしたまとめ PDF を作り,ひたすら読みつつ演習を重ねる形式で勉強した.国語はひたすら演習だっただろうか.

結果,共通テストの自己採点結果は以下の通り:

数学①も②も終わらず困惑した思い出がある.地味に化学も理系とは思えないほどの低い点数をとってしまった.東大換算で 797 点.

1~2月(二次試験)

1 月中は各教科 2 セットずつ演習できる講習を受けた.”共通テストボケ”の解消には役立ったと思う.また,東進の東大模試も受けた.英語の採点が緩すぎた.

2 月中は 1 年間の駿台の教材の総復習と,東大の過去問と東大模試の過去問の演習と解説の熟読を繰り返していた.現役時よりも忙しくはなかったものの,やはり一番時間との闘い(?)の日々だった.過去問に関して,数学と理科は多めに,英語と国語は最低限取り組んだ. この辺りの話は別記事にまとめたいと思う.

また,慶応義塾大学理工学部早稲田大学基幹理工学部の入試も受けた.これらの対策は前日や当日に過去問をやった(ともに合格).

東大二次試験後,帰りの車の中で自己採点を開始した.この時点では 1 日目の国語・数学の解答しか明らかになっていなかったため,これらの科目のみ行った.国語は大きな誤りはなさそうだが平均程度しか取れていなさそうで,数学は解答用紙に書いた内容は正しいものの,最後までたどり着けなかった問題が多いと分かった.実は,数学第 1 問の最後の結果は入試 1 日目の夜に Twitter 上に流れてきたツイートを見て正答したと分かっていた.

翌日,全科目の解答が判明し,自己採点をした.その後,合格発表直前にもう一度やり直した.結果は以下の通り:

330 点は取れたと思っていた.

3月~(合格発表後)

さすがに受かっていた.番号表に自分の受験番号を見つけた後にボーダーを確認したところ,驚異的な低さで驚いた.採点が厳しくなったのだろうか(自分も 330 点なんて取れていないのだろう).

これから

も頑張ります.

 

不合格体験記Ⅳ(まとめ+今後について)

Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのまとめ.学校の後輩へのアドバイスを一部編集したものになっている.偉そうに書かれているが,全て自戒も込めている.

Ⅰ:

Ⅱ:

Ⅲ:


# 志望校対策(理系向けかも)

志望校対策についてまとめる.
まず,高 2 から駿台の「高2スーパーα国語(現代文・古文)」を受講していた.中学受験の頃から国語が苦手で課題であったので,ここで初めて予備校を利用した.週 1 回だったので,学校の勉強にも支障が出なかった.さらに,定期考査前はこの対策で忙しくなるため,駿台を休んでその分の授業を後から映像で受講できるシステムは非常に便利だった.駿台は営業がそんなにしつこいことはないので安心して良い.また,『物理重要問題集』が学校から配布され,解き始めた.進める進度は学校の授業と合わせた(定期考査前までにその範囲までを埋める感じ).それ以外は自分で教材を買ったりすることはなかった.
高 2 の春休み〜高 3 の臨時休校中は『Focus Gold』の章末問題を 2 周ほどした.ⅠAⅡBⅢの全てをやろうとすると,意外と量が多かった.また,4 月以降になって学校の課題だけでは時間が余ったので,『やっておきたい英語長文 1000』,『化学重要問題集』,『東大の理系数学 27 カ年』,『東大の物理 27 カ年』を自分で購入し,解き始めた.『やっておきたい(略)』は問題数が少なく,すぐに終わった.全訳を参考にして何回か精読していたと思う.この教材で英語の長文に慣れることができると思う(1000 words は長すぎると感じる場合は 700 words 版などもある).『数学(略)』は 1 日 1 問程度ずつ,『物理(略)』は 1 日 0.6 問程度ずつ進めていた(既習分野の中から).また,駿台は「高3スーパーα東大理系国語(現代文・古文・漢文)」を受講していた.前期中は全て映像配信になった.そのほかは何も通わなかったが,春期講習のみ駿台の「東大理系数学」と「東大英語」を受講した.夏期講習・冬季講習も同じく数学と英語のみ受講し,前期・後期の通常授業は国語以外受講しなかった.
ここで,駿台の講習について少し注意しておく点がある.それは,お茶の水 3 号館のような大規模な校舎の教室は非常に広く,後方の席を指定されてしまうと(駿台は座席指定制で,自由席ではない)板書が極めて見づらいという点.これを回避するには,比較的規模の小さい校舎で受講することをおすすめする.例えば,池袋校では,東大向けの講習は高々 10 数人程度しか参加していないため,教室も小さく,快適に授業を受けることができた.
高 2 の夏休みごろ,『東大の英語 27 カ年』と『物理標準問題精講』を追加した.あとは学校の講習の教材で勉強していた.学校でも東大向けの講習が多く開かれていて,受講をおすすめする(学校の教室といういつもの環境の方が慣れていて良いと思う).

 

# 共通テスト直前対策
各予備校から学校専用の共通テスト対策問題集や,予想問題セットがたくさん販売される.2020 年度は Z 会,駿台河合塾,ベネッセ,代ゼミが販売していた.一般に,収録されている問題の難易度は「Z 会>駿台河合塾」とされているが,河合塾の問題集については利用しなかったためよく分からない.ただ,Z 会の問題(特に数学)は難しかった.実際の難易度を逸脱しているレベルだと思う.ここで,共通テスト本番の難易度について述べておくと,2021 年度の共通テストが予想より易しかったことを踏まえると,2022 年度は難化してくるのではないかと思う(特に英語・数学).ただ,物理・化学・地理はあまり変わらなそうだと予想する.(これらの予想による損害には一切責任を取らないので注意して欲しい).
ところで,共通テスト対策をいつから始めるかという問題だが,これは個人差があると思う.東大のように共通テストでの得点がかなり圧縮されてしまう大学を受けるのであれば,時間をかけ過ぎるのも勿体ないような気がする.このような場合には12 月中旬〜 1 月上旬に対策を開始すれば良いと思う.

 

# 二次試験直前対策
共通テスト後から二次試験までは約 40 日と夏休みと同じだけ時間があるが,忙しくしていると意外と時間が無い.過去問を進めて復習する時間も取らなければならないことも考慮して計画を立てたい.
自分は駿台の「東大理系数学ⅠAⅡB演習プラス」,「東大理系数学Ⅲ演習プラス」,「東大英語演習プラス」,「東大理系国語演習プラス」を受講した.それぞれ 3 週完結の講座で,問題演習をし,解説授業を受け,自分の答案を先生が採点してくれるというもの.全て 2 月の最初の週で完結する.やはり,自己採点が難しいこれらの教科については,駿台に限らず塾・予備校の添削指導を利用すべきだと思う.これらの講習が終わった後の 2 月は何も受講しなかった.個人的には 2 月は講習等を取らずに自習にあてるべきだと思う.
ここで,鉄緑会の『東大数学問題集』・『東大物理問題集』・『東大化学問題集』を強くおすすめしたい.赤本(教学社から出版されている,大学入試過去問題集のこと.本が赤いことからこのように呼ばれる.)の解説でも分かりやすいものの,解説だけに終始していることが多い.しかし,鉄緑会から出版されている『東大{数学・物理・化学}問題集』は解説が極めて詳しいことに加え,別解・問題の背景解説・類題とその解説・実戦上の注意など,とにかく内容が細かく充実している(これらより詳しい解説本は無いと思わせるぐらい).東大志望なら絶対買い,利用するべきだと思う.


# 東大模試と本番の試験の採点基準について
東大志望なら,夏と秋の 2 回実施される駿台の「東大入試実戦模試」,河合塾の「東大入試オープン」を受ける人が多いと思う.これらの模試の成績が悪くてもあまり気にしない方が良いと思う.もちろん,A 判定を目指すべきではあるが.
また,東大の採点基準について,これらの模試の採点基準と比べる.まず,国語(理系)は,模試と比べて現代文の配点が重く,採点もやややさしいのではないかと感じた.数学(理系)は,河合塾ほど部分点は来なく,駿台ほどの厳しさだと感じた.理科は,恐らく答えまで合わせることを意識した方が良いと思う(部分点はあっても少なそう).英語は,出題分野が多いためよく分からない.


# 最後に
ここまで読んでくれた読者には感謝したい.ところで,以上の勉強をすると,東大理一に 8.4889 点差で落ちます.東大模試冊子掲載でも落ちるので十分注意して下さい.自分も気をつけて,頑張ります.

 

# 今後について

4 月からは,駿台予備学校お茶の水 3 号館で開講される「スーパー東大理系演習コース」を受講します.余裕があれば競プロもを少しはやりたいと思っていますが,調子に乗らずにいこうと思っています.今動かしている 2 つの Bot の管理も続けるつもりですが,新機能を実装することはないかもしれません.あくまで障害やバグ対応のみの予定.

 

不合格体験記Ⅲ(勉強+臨時休校中の感想)

ここでは高 2, 3 にやったことをまとめる。

Ⅰ:

Ⅱ:

 

高 2

塾・予備校

中学受験の頃から国語が苦手科目であるため,駿台の「高2スーパーα国語(現代文・古文)」を受講していた.その他の科目は何も通わなかった.ただ,夏期講習・冬期講習は駿台の「東大理系数学」と「東大英語」を受講した.

教材

学校から配られた『物理重要問題集』以外は特に自ら入手したりはしなかったと思う.学校のやるべき事をこなしていた.

高3の1学期まで

臨時休校期間を含む.

塾・予備校

駿台の「高3スーパーα東大理系国語(現代文・古文・漢文)」を受講していた.前期中は全て映像配信になった.フル HD の映像で驚いたのを覚えている.そのほかは何も通わなかったが,高2時と同様に,春期講習のみ駿台の「東大理系数学」と「東大英語」を受講した.どちらも緊急事態宣言が発令される直前に終わったため,授業がキャンセルされることはなかった.

教材

臨時休校期間開始直後は,『Focus Gold』の章末問題を 2 周ほどした.ⅠAⅡBⅢ全部やろうとすると,意外と量が多かった.また,4 月以降になって学校の課題だけでは時間が余ったので,『やっておきたい英語長文 1000』,『化学重要問題集』,『東大の理系数学 27 カ年』,『東大の物理 27 カ年』を自分で購入し,解き始めた.『やっておきたい(略)』は問題数が少なく,すぐに終わった.全訳を参考にして何回か精読していたと思う.『数学(略)』は 1 日 1 問程度ずつ,『物理(略)』は 1 日 0.6 問程度ずつ進めていたと思う(既習分野の中から).学校からは『速読英単語 必修編』や地理の教材が届いた.5 月になると,学校のオンライン授業環境が整い,学校のやるべきことが多くなって忙しくなった.

臨時休校中の感想

臨時休校期間中は,駿台の春期講習が終わった後から 6 月の学校再開までほとんど家から出ていなかったと思う(出ていたとしても 1, 2 日程度).それでも全く苦ではなかったし,むしろ,学校への往復 3 時間程度の時間を睡眠にあてられたり,勉強時間に費やせられたりしたので,個人的には楽だった.友達と対面で話せないのもつらくなかったし,家の机の方が集中できるため,駿台の自習室が閉まっても何も影響を受けなかった.このように,精神的にも影響を受けなかったのは幸いだったと思う.

学校のオンライン授業は 4 月後半から本格化したと覚えている.Teams や Zoom でのライブ配信ではなく,板書や PC・iPad のスクリーンキャプチャが配信される形式で,簡単な Forms やロイロノートで提出物を出す,という形だった.個人的にはこの形式でよかったと思う(ライブ配信では絶対問題が発生するだろうし,好きなタイミングで授業を受けられる方が自分には合っていた).

しかし,学校の進度が若干遅れて,1 学期後半~ 2 学期前半で遅れを回復するのは大変だったと覚えている(学校の進度に合わせて,予習などは全くしない主義だったので).

高3の夏休み~2学期

塾・予備校

駿台の「東大理系数学」と「東大英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を受講した.お茶の水3号館での受講はオススメしない(理由:教室が大きいため,一番後ろだと板書が見えない).規模の小さめな校舎だと,教室も小さめのため,板書は見やすく人数は少ないので落ち着いて授業を受けられる.

教材

『東大の英語 27 カ年』と『物理標準問題精講』を追加した.あとは学校の講習の教材で勉強していた.過去問のペースが臨時休校期間中に比べ,低下した.まとまって時間のある週末などに多く進めていたと思う.

高3の冬休み~共通テスト前

塾・予備校

駿台の「東大理系数学」と「東大英語」を受講した.共通テスト関連は何も受けなかった.

教材

『東大の化学 27 カ年』と『東大の英語リスニング 27 カ年』を追加した.リスニングに関して,赤本の読み上げスピードは本番よりも遅いので,1.3 倍速ぐらいにするといいかもしれない.

駿台の講習以外はほぼ共通テスト対策をしていた.具体的には,Z 会の『パワーマックス共通テスト対応模試』の 8 回分搭載した英数国,駿台の『パックⅤ』を全科目,各予備校の予想問題パックを使った.駿台の『パックⅤ 英語(リスニング)』は,第4・5回がセンター形式のもので使い物にならなかった(詐欺だと思う).難易度は Z 会>>>>>駿台だと感じた.特に,Z 会の数学はかなり難しかった.

共通テスト後~二次試験前

塾・予備校

駿台の「東大理系数学ⅠAⅡB演習プラス」,「東大理系数学Ⅲ演習プラス」,「東大英語演習プラス」,「東大理系国語演習プラス」を受講した.それぞれ 3 週完結の講座で,問題演習をし,答案を先生が採点してくれるというもの.全て 2 月の最初の週で完結する.それ以降の 2 月は何も受けなかった.

教材

鉄緑会の『東大数学問題集』・『東大物理問題集』・『東大化学問題集』を鉄緑生の友達からもらったので,解説はこれらをよく参照していた.解説が極めて詳しく,背景説明・類題・実践上の注意などとにかく内容が細かく充実している.これらより詳しい解説本は無いと思わせるぐらい.2 月中は過去問ばかり解いて,復習していた.しかし,復習は 1.5 周程度しかできず,直前はかなり忙しくなってしまった.鉄緑の 3 冊については消化不良だったと思う.

 

(続く)